もう一つのレトロモービル

写真左は、ベルリネッタ・マガジンのスタンドを中から撮ったものです。毎年、同じように見えるレトロモービルですが、中から覗くと少しづつ変化してきているのがわかります。
今回、驚いたのはルノーのブースが無かった事です。自動車メーカーのブースはショーの華、フランスのプジョー、シトロエン、ルノー、それにメルセデスやBMWが大きなブースを開いていました。しかしクラッシックカーのショーが、メーカーの宣伝媒体として効果的かどうかは、メーカーの事情によって異なるでしょう。少なくともルノーにとっては、宣伝効果が少ないと判断されたようです。古い車が好きな方がルノーに乗るようになれば、ルノーもレトロモービルに帰ってくるのだと思います。
部品関係についても変化がみられます。昔は「レトロモービルで見つからない部品はない」とまで言われたのですが、近年、部品業社が少なくなっています。特に良い部品を並べている所が少なくなっているのです。ネットなど通信販売が発達したおかげでスタンドを出す必要がなくなってきたのです。しっかりした基盤のショップ程この傾向が強いよう思います。日本など遠くから部品を買い付けに来る人には困った話ですが、パソコンの前に座っていた方が部品の入手が簡単になったと言う事でしょう。
でもレトロモービルが衰退したわけではありません。部品の買い付けは出来なくても、情報の交換はますます盛んになっています。クラブ、専門店、メーカーが集まるレトロモービルならではの情報が溢れています。たとえば「数年以内にフランスのメーカーから新型のスポーツカーが出る」「今度はあの部品がリプロされる」「あの車をレストアしたのは展示している業者じゃなくて本当は誰某・・・」等等さまざまな話が飛び交っているのです。レトロモービルがショーと呼ばれずにサロンと呼ばれている由縁でしょう。これがレトロモービル本来の姿なのだと思います。
写真下は、夜、会場を閉めてから、内部の人たちと一緒に帰る時に撮ったものです。たくさんの人が行きかうのも華やかですが、それが終わった後も静かで趣があります。

by A110ALPINE
| 2007-02-23 07:55
| 車